2011年4月8日金曜日

第6章 失踪

タンタッタラーズンパッパパラー!!
「なあ!クーポ!隣の列の先頭の奴、ここんとこ何日も顔を見ねえと思わねえか?」朝のルポポゾックゥワギュフェ体操をしながらフービーがクーポに言った。
「ピンポーン!大正解!だが奴だけじゃねえぜ!俺が分かるだけでも8人はいなくなってやがるぜ!」クーポもそう返した。そして体操が終わり、各々が自分達の部屋へ帰っていった。勿論、フービーとクーポも。
「“ブビュグヮァン”」相変わらず慣れない音でクーポ達の部屋のチャイムが鳴った。
「誰だ?最近はみんな洗脳されちまって俺らの部屋を訪ねる奴なんていなかったのに。」クーポが怪訝そうな顔でフービーを見た。「取り合えず開けてみろよ。」フービーがクーポにそんな目配せをした。
「ウィーン」部屋の自動ドアが開くとそこには小さな女の子が立っていた。
「こりゃあ可愛らしいお客さんだ!」一瞬驚いたクーポが続けた。「どうしたお嬢ちゃん、俺達に何か用かい?」
「パパを探して!御願い!」小さな女の子は愛くるしい目をうるうるさせながらクーポにそう言った。
「何かキナ臭い臭いがプンプンするなぁ!相棒!」クーポはフービーにそう言って小さな女の子を部屋に入れ、事情を聞くことにした。

女の子の話を整理するとこうだ。
少女の名前はジータン。10日前に父親が突然姿を消した。母親に聞いても母親は気に留める様子も無くいつも通りの退屈な日課をこなすだけ。
最初は仲の良かった友達やその親たちも一向に知らん顔。どうしようもなく途方に暮れてたところフービーとクーポがルポポゾックゥワギュフェ体操の帰り道、いつも何か楽しそうに会話してるのを見て、この人達なら話を聞いてくれるかもしれないと思いここを訪ねたというわけだ。
「お嬢ちゃん!いやジータンっていったっけな。ジータンはパパやママと毎日お話してたのかい?」フービーが優しい声でジータンに問いかけた。「ジータンね、パパとはお話してたけどママとはお話してないの。パパがね、ママはお話出来ないお病気になったからお話しちゃあいけないって。ママだけじゃなくてみーんなみーんなお話出来ないお病気になっちゃったからお話しちゃいけないって。お部屋でパパとだけお話してたの。でね、、、」堰を切ってジータンが話し始めた。
「分かった分かった。じゃあそのお話出来ない病にかかってないのはジータンとジータンのパパとこのお兄ちゃん達だけって事かな?」フービーが優しく聞いた。「ううん!」横に首を振って続けた。「プラルもだよ!」笑顔でジータンが答えた。
「でもね、パパやプラルがお病気にかかってない事は内緒なの。人に話すとお病気になっちゃうんだって。だからジータンもパパとプラルとしかお話しないの。お兄ちゃん達はお病気じゃないんでしょ?だったらパパのお友達なんでしょ?だからパパを、、、、、、探して!おねがい!」今度は泣きそうになるのを必死でこらえて訴えてきた。
「よーし、ジータン!お兄ちゃん達がパパを探してあげよう!」笑顔でフービーが言った。

ジータンが帰ってフービーとクーポは話を整理した。
「火星にやってきて1年が過ぎた。見たところほとんどが洗脳されてるが、俺達を含めて何人かは全く洗脳されていない。
その洗脳されていない何人かのグループが何らかの組織を作っていると見て間違いなかろう。」フービーがそういうとクーポが続けた。「ところが、何かの拍子にジータンのパパやグループの何人かが全く洗脳されてないのが火星人どもにバレて連れて行かれた、若しくは消されたってことだ。」
「まずは洗脳されてないグループの残りを探すのが先決だな!だがどうやって探すかだ。仲間が何人もいなくなった今、相当警戒してるにちがいない!」フービーがそういうとクーポが「ジータンの言ってたプラルって奴はどうだ?奴がいなくなったとは言ってなかったぞ!」右の拳を左の手のひらにパァンとぶつけてドヤ顔でフービーを見た。
「プラルはジータンの持ってたサルのぬいぐるみの名前だ。ぬいぐるみの腹に思いっきりそう書いてた。」フービーは冷静に言った。

次の日から洗脳されていないグループの捜索が始まった。
「いったいこの大人数の中、どうやって探すんだよ?クーポ!てめえは大バカなんだから何か臭うんじゃねえか?おんなじ大バカの臭いがよぉ!」ルポポゾックゥワギュフェ体操をしながらフービーがクーポにそう言うと、、、
「いたっ!いたぞ!間違いない!あいつだ!」クーポが指差した。
「さすが!本当にバカはバカ同士で何かそういうテレパシーみたいなもんがあるんだな!」フービーが嬉しそうにそう言ってクーポの指差す方を見ると、そこには身長2メートル体重150キロはあろうかというヘラクレスのような大男が明らかに他とは1テンポ以上遅れたり、時には早かったり、時にはリズム無視でルポポゾックゥワギュフェ体操をしていた。それを見るなりフービーが嬉しそうに言った。
「たしかにバカっぽいな!よし、ルポポゾックゥワギュフェ体操が終わったらあいつの部屋に行ってみよう。」
彼の名はダイル。地球ではプロレスの世界チャンピオンであり、その超人の様な体に似合わず遺伝子工学の博士号を持つ
エリートでもある。

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